フジ・アーニス・クラブは、代表が2004年から定期的にフィリピンで学んだアーニスの技術を日本で伝えるために設立したアーニスの練習団体です。
2004年にバクバカン・インターナショナルのクリストファー・リケットのもとでイラストリシモ・エスクリマを学んだのを皮切りに、さまざまなマスターたちのもとでさまざまなスタイルのフィリピン武術を学びましたが、現在は以下の3つのスタイルをメインに練習しています。
1950年代から70年代にかけての「アーニスの黄金期」に100戦以上のバハド(チャレンジ・マッチ)を戦い無敗を誇った、カコイ・カニエテが創始したアーニスのスタイルです。相手に接近した間合い(コルト)から、手首のスナップを使った、曲がりくねった(クルバダ)ストライクを連続して打ち込むのが特徴です。また、相手のスティックを奪い取るディスアームや、スティックを使った投げ技や逆技であるエスクリド、組み合ったところから相手を倒すテイクダウンや寝技などのグラップリング技術も並行して練習します。
コルト・クルバダ・エスクリマの
パルソ(スパーリング)が
YouTubeで見られます。
Fuji Arnis Club / Corto Kurbada Eskrima
放浪の武術家、アントニオ・イラストシリモの技術を、弟子のトニー・ディエゴやクリストファー・リケットが体系化したアーニスのスタイルです。20世紀以前、アーニスの武器がブレードであった時代の技術を残す貴重なスタイルです。右手に剣を持つシングル・ソードと、右手に剣、左手にナイフを持つエスパダ・イ・ダガが練習の中心であり、精密なフットワークと複雑な手技によるブロック&カウンターが特徴です。また、フィリピン式キックボクシング、サガサ由来のナイフ・ディフェンスの技術や、ラルゴ(ロングレンジ)を専門とする、デ・カンポ・アーニス由来のハンド・ターゲット・スパーリングも並行して練習します。
イラストリシモ・エスクリマの
エスパダ・イ・ダガの練習が
YouTubeで見られます。
Fuji Arnis Club /Ilustrisimo Eskrima
バリンタワク・エスクリマのグランドマスター、アンション・バコンの高弟のひとりであるルクレシオ・アルバーニョが創始したアーニスのスタイルです。バリンタワク・エスクリマのナイフ・ディフェンスの技術を独立させ、ナイフ・ディスアームに特化した珍しいアーニスです。通常のアーニスのナイフ・ディスアームの練習では、攻撃側(ナイフ側)は1度攻撃したら、防御側に抵抗することなくナイフを取らせてくれますが、クツィリョでは、攻撃側がナイフを取られないようにに抵抗するなかで、防御側がナイフを奪い取る、パラカウと呼ばれる攻防のドリルが練習の中心となります。
クツィリョのパラカウ(攻防ドリル)が
YouTubeで見られます。
Fuji Arnis Club / Kutsilyo
フジ・アーニス・クラブでは、上記の3つのスタイルをスティック・クラスとブレード・クラスの2つに分けて練習しています。練習会の様子はfacebookページやYoutubeチャンネルなどで公開していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
相手に接近した間合い(コルト)と相手から離れた間合い(ラルゴ)の2角間合いで、スティックを使って戦う技術を練習するクラスです。
具体的には、コルトではCCDP(カコイ・カニエテ・ドセ・パレス)エスクリマのコルト・クルバダとエスクリドを練習し、ラルゴではイラストリシモ・エスクリマのハンド・ターゲット・スパーリングの練習を行います。
コルトの練習は、最初にコルト・クルバダ特有のストライクを学んだ後、それらのストライクを使ったコンビネーション・ストライクとそこからのディスアームやエスクリドを学びます。同時に相手の攻撃を片手でコントロールするタピタピを学び、それらが身に付いたらパッド付きスティックや軽量スティックを使ったパルソ(スパーリング)に入っていきます。
ラルゴの練習では、利き腕にハンド・ガードとアーム・ガードを着用し、相手の攻撃に対して様々なコンビネーションのカウンター・ストライクを打ち込む練習や、フェイントで相手の攻撃を引き出してカウンター・ストライクを打つ練習を行った後、防具着用部分(利き手、利き腕)にターゲットを限定したスパーリングを行います。
そして最終的には、軽量のヘッドガードと軽量グローブを着用して、コルトとラルゴ、グラップリングを合わせたた総合スパーリングを行います。
イラストリシモ・エスクリマの
ハンド・ターゲット・スパーリングが
YouTubeで見られます。
Fuji Arnis Club / Ilustrisimo Eskrima
スティック・クラスの練習内容は以下のとおりです。
剣やナイフなどのブレードを使って戦う技を練習をするクラスです。
具体的にはイラストリシモ・エスクリマのエスパダ(片手に剣を持つ技)とエスパダ・イ・ダガ(右手に剣、左手にナイフを持つ技)、ナイフ・ディスアームの技術と、クツィリョのナイフ・ディスアームの技術を練習します。
エスパダとエスパダ・イ・ダガの練習は、ブレード特有のストライクとそれらをかわすためのフットワークを学んだ後、それらをベースにしたブロック&カウンターを含むさまざまドリルを学びます。そして最終的には、お互いに自由に技を出し合い、それをブロックしてカウンターを返すラバン・ラロ(攻防ゲーム)を行います。
ナイフ・ディスアームの練習は、ラルゴ(ロングレンジ)を得意とするイラストリシモ・エスクリマのナイフ・ドリルと、コルト(シュートレンジ)を得意とするクツィリョのパラカウ(攻防ドリル)を練習します。ナイフ・ドリルでは相手と一定の距離を常に保ち、相手の攻撃に対してカウンターでアイジャブ(目突き)を入れることを学び、パラカウでは逆にナイフを持った相手に接近し、相手の手や腕に常に自分の手や腕が密着させ、相手の攻撃をコントロールすることを学びます。
イラストリシモ・エスクリマの
ナイフ・ドリルの練習が
YouTubeで見られます。
Fuji Arnis Club / Ilustrisimo Eskrima
ブレード・クラスの練習内容は以下のとおりです。