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フィリピン武術 アーニス/エスクリマ
 フジ・アーニス・クラブ 参考図書

推薦図書 REFERENCEs

アーニスを理解するための推薦資料

アーニスをさらに深く理解したい人のために、図書とビデオをいくつか紹介しておきます。残念ながら日本にはアーニスについて書かれた専門の書籍はほとんどありませんので、アーニスについての情報は今のところ英語による図書やビデオが中心となりますが、ここに紹介した図書やビデオはどれもインターネットを利用すれば日本でも簡単に入手できるものなので、アーニスに興味のある方はぜひ手元に置いておくことをお勧めします。

公開!フィリピン武術の全貌

フジ・アーニス・クラブの代表が、セブとマニラに本部を持つ12の流派のアーニスを取材した、日本で唯一のアーニスの概説書です。アーニスがどのような背景で生まれ、20世紀に入ってからどのように技術が変遷して、さまざまな流派が成立したのかを、各流派の歴史や技術、練習方法などを紹介しながら解説しています。またアメリカでアーニスがどのように受け入れられたのかも解説してあり、アーニスの歴史や特徴を学ぶには最良の書です。付属のDVDには12の流派のアーニスの練習風景や技術が収録されており、フィリピンにアーニスの練習に行く際のガイドブックとしても利用できます。


Warrior Arts of the Philippines

バクバカン・インターナショナル北米支部長のレイ・ガランが、バリンタワク・エスクリマ、イラストリシモ・エスクリマ、ラメコ・エスクリマ、サンミゲル・エスクリマ、ライトニング・サイエンティフィック・アーニス、モダン・アーニスの代表的なマスターたちとその技術を紹介した本です。各流派の技術や歴史、特徴、マスターたちのプロフィールなどがマスターたちやその流派の練習者たちへのインタビューを通してわかるだけでなく、膨大な量の写真で各流派の技術を紹介しているので、アーニスの練習者には技術書としても使うことができるとてもよくできた本です。


Filipino Martial Culture

フィリピン武術研究家・マーク・ワイリーがアーニスの歴史から哲学、精神、武術に関わる文化、儀式、武器、各流派のマスターたちのプロフィールまで幅広いテーマを詳しく紹介しています。特に18人のフィリピン武術(アーニスに限らない)のマスターたちを直接訪ねてインタビューした「現代のマスターたちと武術」のパートは、マスターたちの個人的な体験を通してその流派の技術がどのように生まれたのかが書かれており、読み物としても面白くできています。アーニスの歴史の記述には誤りがあるものの、フィリピン武術に関する数少ない概説書のひとつなのでアーニスに興味のある方には必読の書です。


Eskrima -Filipino Martial Arts-

ウォリアーズ・エスクリマのインストラクターでフィリピン武術研究家のクリシュナ・ゴッドハニアがアーニスを概説的にを紹介しています。アーニスの歴史から始まり、ソロ・バストン、バラウ(ナイフ)、パンガムト(エンプティー・ハンド)ダブル・バストン、エスパダ・イ・ダガ、シバット(長棒)、フレキシブル・ウェポン(ムチやチェーンなど)の理論や技術を豊富なカラー写真を使って説明しています。歴史の記述には誤りがありますが、特定の流派ではなく、あらゆるの流派に共通する原理を解説しているので、アーニスの練習者は手元に置いておくことをお勧めします。


Cebuano Eskrima : Byond the Myth

セブ出身のフィリピン武術研究家・テッド・ネパンギとセレスティーノ・マカチョーが書いたアーニスの歴史についての本です。表題の「神話を超えて」が表すように、アメリカを中心に流布しているアーニスに対する誤った歴史(『カリ』神話)をフィリピン人の立場から言語的知識や歴史資料を駆使して徹底的に検証し、「フィリピンの南部には古くから『カリ』と呼ばれる武術があった。」という神話に何の根拠もないことを証明しています。アーニスの歴史について書かれた本のなかでは最も詳しく、かつ信頼できる本なのでアーニスの歴史を学ぶ人には必読の書といえます。


Atillo Balintawak Eskrima

1983年にドセ・パレスのカコイ・カニエテと最後のバハド(チャレンジ・マッチ)を戦ったバリンタワクのエスクリマドール、イシン・アティリヨが自身の半生を記した本です。アティリヨ家は、セブのアーニスの父、ロレンソ・サアベドラやその甥のドーリン・サアベドラ、バリンタワク・グループNo.2の使い手、デルフィン・ロペスなど親しかったため、今まで資料がなく実像が分からなかったこれらの人物を通したセブのアーニスの歴史がよくわかります。また、神格化されていないアンションの実像やカコイとのバハドの裏側など、セブのアーニスの裏の歴史が描かれた貴重な本です。


      

The Challenge Fights of Grandmaster Ciriaco "Cacoy" Canete

50年代〜70年代にかけてのアーニスの黄金期に100戦以上のバハド(チャレンジ・マッチ)を戦い無敗を誇った、ドセ・パレスのカコイ・カニエテが戦った数々のバハドを紹介した本です。当時のバハドの実態やアーニスの練習、エスクリマドールたちの活動やグループの対立の様子など、スポーツ化する以前のアーニスの実態がよくわかる本です。ネパンギの ”Cebuano Eskrima” 同様、セブのアーニスの歴史を学ぶ者には必読の書です。


Eskrimadors

セブのエスクリマドールに焦点を当てたアーニスのドキュメンタリーです。20世紀以前のアーニスの歴史については、アメリカで一般的な「カリ」神話に拠っているため信頼できる資料とはいえませんが、20世紀以降の歴史については、ディオニシオ・カニエテやカコイ・カニエテ、ボニファシオ・ウイなどの、セブのアーニスの歴史を生きて来た、数多くの高名なエスクリマド−ルへのインタビューを基にしており、セブのダウンタウンのゴロツキたちのケンカ術だったアーニスがいかにして国を代表するスポーツにまでなっていったのかが、当事者の証言でわかる貴重な資料となっています。


The Bladed Hand

上記の"Eskrimadors"とは対照的に、こちらはアーニスが海外に与えた影響について焦点を当てたドキュメンタリーです。フィリピンやアメリカの多くの高名なエスクリマドールへのインタビューを通して、アーニスがハリウッド映画に与えた影響や海外で特殊部隊に採用された経緯などが紹介されています。 またアーニスの歴史についてはフィリピン大学の人類学教授、フェリペ・ホカノがアカデミズムの立場からアメリカで広く流布している「カリ」神話を否定しています。アーニスの歴史はもちろん、アーニスが世界でどのように受け入れられているのかがよくわかるDVDです。


Eskrima-Arnis Techniques

カコイ・カニエテによるドセ・パレス・エスクリマの教本です。アーニスの歴史から始まり、さまざまなバリエーションのペンキ・ペンキ(ダブル・スティック・ドリル)、シングル・スティックによるブロック&カウンターやプリアレンジド・ドリル、ディスアーム、フォーム(型)などが豊富な写真で紹介されています。現在のカコイ・ドセ・パレスでは練習されていないメジャ・ラルゴ(ミドル・レンジ)やラルゴ・マノ(ロング・レンジ)のドリルなども紹介されており、ドセ・パレス・エスクリマの基本だけでなく歴史的な技術までもが学べる内容になっています。


Eskrido - Eskrima, Jiu-Jitsu and Judo Integrated -

カコイ・カニエテによるエスクリドの教本です。エスクリドの歴史や基本の12のストライクに対するエスクリド、オンガード・ポジションからのエスクリドなど、カコイ・カニエテが柔術や柔道、合気道などを研究して、アーニス用に改良したさまざまな逆技、投げ技が紹介されています。